再鑑賞。

ジョゼの頑なさと諦観が、普通の男の普通のずるさに逃げられる恒夫と対比して切ない。

数年ぶりに観ても、ジョゼがキッチンの踏み台から降りる時の不格好な音が悲しいのではなく、明日も明後日もこの音と生きていくことを受け入れるしかないジョゼが悲しいし逞しいのだと思う。

 

バッド・ジーニアス 危険な天才たち [Blu-ray]

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  • チュティモン・ジョンジャルーンスックジン
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天才的頭脳とデジタルツールと組織力を投入してグローバルにカンニングを企てるお話。テンポ良く展開していき、クライマックスの手に汗握るスリリングさもよかった。

大人としては、お父さんの「実際に勉強を教えようとは考えなかったのか」がド正論だし、全面的に同意なのだけど、子どもの狭さと必死さに覚えがないわけでもなく、主人公たちの経済的に恵まれない状況もあって、単純に切って捨てられないなと感じさせられる。


作品のどの部分を切り取っても映像の美しさと花の懸命さ、
そして子ども達の成長の不可逆性が漂っていて、
なんでもないシーンで何度も涙が出そうになった。


有体に言えばすごく良かったです。
特にラストの花の笑顔には胸打たれたよ。
引き比べた時に自分の卑小さが恥ずかしくなったし、
必死で守るものがないのは詰まらないことだなと感じた。


かつてパリで起こったユダヤ人一斉検挙“ヴェルディヴ事件”の物語。
お馴染みの下高井戸シネマで初鑑賞。



とてもとても良かった。
特にサラの子役のコが素晴らしかった。
そしてドラマティックな展開や安易なセンチメンタリズムに逃げずに
過去と現代のストーリーラインを丁寧に交錯させていく姿勢に拍手。
観た人に重くのしかかる作品ではあるけれど、ラストに希望があるので
興味を持った人には是非是非観て欲しい。

夜の公園 (中公文庫)

夜の公園 (中公文庫)

再読。
結構なドロドロっぷりなのに低体温な登場人物達が好ましい。
静かに生きたい気持ちになった。