引っ越す夢を見た。


朝チャイムが鳴って引越し屋さんが来るのだけど、
「どちらにお運びしましょうか?」
と聞かれてはじめて、新居を探してなかったことに気づく。
慌てたところで後の祭りなので、
「恥を忍んで言いますが、まだ決まっていないんです」
と告白した。
すると引越し屋さんのお兄さんは膝をポンと打って、
「良い部屋があるんです!」
と流線型をした部屋に案内してくれた。
そこは連れ込み宿とラブホテルが融合したような作りで、
部屋数も趣もあって悪い物件ではなかった。
ただそこで暮らす自分が想像できなかった。
引越しは無期延期にしようと心に決めた私は、
そのことをお兄さんにどう切り出せばいいのか思案していた。