草原の輝き (角川文庫)

草原の輝き (角川文庫)

誰かと一緒に生きるということ。
それは、一緒に眠り、目覚め、食事をし、笑い、また一緒に眠りにつく。でもそれだけではなくて、隣にいる誰かを百パーセント受け入れることなのだ、(中略)彼の弱さも私の弱さも、彼の痛みも私の痛みも、彼の邪気も私の邪気も・・・・・・
(P17)

そんな風に生きられたらいいねと思いつつ、懐疑的な気持ちで読んだ。


ひどく内面的な物語で、決して厚い本ではないのだけど休み休み読んだ。
あとがきで江國香織さんが、作中に登場する不思議な美少女・佳奈子を指して
ライ麦畑でつかまえて』のフィービーのよう、と表現していたのが印象的。
とても的を射ていると思った。